イタリアやスペイン、南仏など、ヨーロッパを旅すると、オリーブの畑をよく目にします。
広大な丘の斜面に等間隔で植えられたオリーブはやせた土地に太陽を浴びてたくましく生き、小さなかわいい花をさかせ、そしてオリーブオイルを施してくれます。
今回迎えたのは地中海沿岸で育った樹齢300年のオリーブ。300年前の日本はどんな時代だったかとざっと振り返ると、つまり侍が刀をふりかざしていた江戸時代になるわけです。
ようやく30年を迎える私たちにとって、積み重ねてきた時間は長くて尊い日々でしたがそれに比べて10倍近い時間をいきぬいてきた オリーブにとっての「300年」とはどんな日々だったでしょう・・・
雨の日も風の日も嵐の日もしっかりと根をはり、毎年オリーブを実らせてきたわけです。
オリーブの幹をみていただくと、あちこちから芽ぶこうとした「こぶ」があります。
あるいは幹に吸収された枝が朽ちて、また幹が隆起しながらその隙間を塞ごうとしています。
コートダジュールのオリーブはおそらく地面に岩か石のようなものがあり根をのばせずに隆起した形跡もあり、厳しい環境で生き抜いてきた歴史が刻まれています。
つい日常の小さなことに心を奪われ、葛藤しがちな僕にとって、こんなに長い時間静かに生きぬいてきたオリーブには頭がさがる思いがして、同時に尊敬の念を抱かざるをえません。
日々の積み重ねをしっかり受け止め、関わってくださった多くの皆様に感謝をしながら「オリーブのように生きよう」そんな思いで植樹させていただきました。
オリーブは色や形が素敵なだけでなく、「ノアの箱船」では洪水が治まった時に鳩がそれを知らせる為にオリーブの枝を持ち帰った事から「平和」「安らぎ」の象徴として、又、ギリシャ神話の中ではアテネとゼウスの戦いの際、「人々にもっとも必要なもの」としてアテネがオリーブを植え、人々が賛同、「知恵」のシンボルともされています。
皆様にとって平和で穏やかな日々がありますように。
そして是非オリーブに会いにきてくださるとうれしいです。
オリーブにとってもこれからたくさんの皆様にお会いして、にぎやかな時間となることでしょう。
オーナーシェフ 中山 満男
中でも僕がこだわって植えて頂いたアガペはお気に入りの植物。
これまでも植物にご興味をお持ちでよくお尋ねいただいてきましたが、今回のテラスにはめずらしい植物がたくさんありますので、しばらくの間は植物のご説明をつくっておこうかとおもっています。
ご興味のある方はどうぞスタッフまでお声掛けくださいませ。
今回のテラスは八千代の「スペースガーデニング」友人の宍倉さんにお願いして、造っていただきました。
不揃いのタイルを敷いたやさしい色合いの石庭、石を削りおとしながら張り合わせた柱などなど、気の遠くなるような職人技を日々積み重ねてくださいました。
職人さんの努力を間近で見ていただけに、今回は「工事が完成した」というより、なんだか「作品が完成」したような不思議な思いです。一生懸命造ってくださった作品は思いや努力やあたたかみがあって、時代を刻むオリーブにふさわしいテラスになりました。
また、シンボルツリーとして植えたオリーブがいい具合にフランスのロータリーのようにお客様を導き、なんだか不思議な感動があります。
図面での想像はむずかしいのに、スペースや斜度を絶妙な距離感と空間活用感覚で申し分なく活用してくださいました。
スペースカーデニングの皆さん、厳しい気候の中、すばらしいテラスをありがとうございました!僕たちもテラスにふさわしいお菓子を作り続けます。
スペースガーデンニング株式会社
八千代本店・千葉県八千代市緑が丘西2-9-10
TEL/ 0120-199-732
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